愛媛県の中予地域の救急救命体制を向上させようと、消防と医療関係者による意見交換会が12日、松山市内であった。円滑な搬送や受け入れには、搬送が困難だった事例を救急隊と病院が合同で検証する「症例研修会」が必要とし、取り組みを各病院に広げていく方針を固めた。
 意見交換会は「顔の見える関係づくり」を目指し、松山市消防局が毎年開催。救急輪番を担う市内12病院、松山、東温、伊予各市と久万高原町の4消防局・本部などから約70人が出席した。
 2014年度から救急隊員との症例検討会を行っている済生会松山病院は「救急隊員と病院職員の交流につながった。職員の意識が向上し、救急搬送の受け入れ患者数も増えた」などと効果を紹介した。
 消防関係者らは「現場隊員の処置が適切だったか検証してもらうことでスキルアップにつながる」と開催を要望。病院関係者らは「小規模な病院だと単独で研修会を開くのは難しい」と述べ、県立中央、済生会松山、松山市民、松山赤十字―の4病院が持ち回りで主催し、各病院が症例を持ち寄る形が現実的とした。